看護師はサービス業で患者は神様?

しゃべれるようになったとたん要求しまくられ

看護師経験約10年の40代女性です。小児看護から高齢者看護まで、さまざまな看護経験があります。私が100床ほどの内科病院の、循環器内科病棟に勤務していたとき、身体は動かないのに口だけはやたら達者という患者さんがいました。
その患者さんは、もともと麻痺があって動けなかったのに、さらに心筋梗塞を起こして入院してきたという人でした。急性期を脱して元気になったのですが、元気になってその口の悪さだけは辟易しましたね。家族もその患者に手を焼いているという感じでした。

病院も看護師も患者がいるから仕事になっているんだと

麻痺があって身体には不自由があったけれど、もともと学校の先生だったとかで頭はしっかりしている方でした。そのために要求が多いのです。忙しいときに限ってナースコールがあるのです。その方は病院はサービス業であり、患者にはサービスを提供しなくてはいけない、また患者様は神様だと思わなくてはいけない、患者がいなくなると病院の収入はなくなり、食べていけなくなって路頭に迷うことになるからといった持論を持つ人でした。

看護師は1人の患者につきっきりになれるわけではない

確かに私たち看護師は、ある意味サービス業だと私自身思っていますが、患者は1人だけではありません。みんなを平等に見る必要がありますし、特に重症の患者さんに手をかけてあげたいのです。しかし要求が多いとなかなかその患者のもとを離れることが出来ないし、仕事にも支障が出るので、みんなその部屋の担当になるのを嫌がっていました。

寂しいから要求が多い?

あまりにも要求が多く、しかも口が悪いので、一度は医師と看護師、それに臨床心理士などを交えて話をしたことがあります。それで結局、その患者さんの要求が多いのは、寂しさからくるのではないかということになりました。そのために師長は、患者さんのところを巡回するときにはその患者のもとを最後に回り、時間をかけて話すようにしました。
また私たちは、その患者から家族に電話をしてくれと言われたら、患者の部屋の電話から直接家族に電話をして話をしてもらうようにしました。看護師が間に入ると話がこじれることがあるからです。臨床心理士からは家族に連絡をして、もっと頻繁に面会に来るように伝達されました。

家族との接触が増えたことで落ち着いた

そうこうしているうちに、患者の容体が落ち着いて慢性期になり、その病院には居られず次の施設を探すことになりました。その手続きのために、ご家族が病院を訪れることが多くなりました。患者はそれに満足をしたようで、ナースコールの数もぐっと減りました。
私はそのことで、手こずらせる患者は大変だけど必ず何か理由はあるんだと学びしました。困った患者さんでも、時間をかけることによって解決する場合もあるんですよね。